研究

最終更新日:

重大な環境被害を受けた中山間地域におけるリスクベースの社会・生態的環境の再生

阿部 浩和(サイバーメディアセンター)、大塚 紀子(ILS Research Institute for Regional and Urban Development)、宮川 智子(和歌山大学)、R. クリストフ(愛媛大学)

  • 理工情報系
  • サイバーメディアセンター

取組要旨

近年、過疎化が進む地方の中山間地を中心に、集落の維持が困難な地域が増えている。このような地域では集落の共同体としての機能が喪失し、これまで維持されてきた社会・生態的環境の崩壊が始まっている。中でも重大な環境被害を受けた地域の社会・生態的環境の再生は環境修復にかかる負担とともに、様々なスティグマの発生が予測されることから厳格なリスクマネジメントも必要となる。特に原発事故後6年が経過した2017年4月に4町村の避難指示が一斉に解除されたが、長期にわたって放置されてきた社会・生態的環境が崩壊している中で、解除がそのまま住民帰還につながるわけでない。ここは昔から農林業を生業にしてきた地域であり、元の生活を取戻すには社会・生態的環境の再生が不可欠であるが、山林の除染はまだ試行途上であり具体的な将来の目途が立っているわけではない。本研究ではこのような厳しい状況にある地域の再生という挑戦的課題についてコミュニティデベロップメントの観点から、その分野で実績の多い英国の取組を学ぶことで社会的経済的基盤の再構築とリスクベースの社会・生態的環境の再生に必要なスキマティックプランを検討する。

研究成果・インパクト

これまで、重大な環境被害を受けた中山間地域の再生に関する課題はどちらかと言えば「環境被害に関する除染問題」と「過疎化が進む中山間地域の農業政策の課題」「地域再生・地域整備の問題」として別々に議論されてきた。しかしながら福島のような状況では、これらは密接に関連した一体的な課題であるため分野横断的な解決を図る必要があり、そのためには「コミュニティデベロップメント」がその中心的役割を担う必要がある。ここで、コミュニティワークでは多くの実績のある英国での取組から学ぶことで、社会・生態的環境を再生するためのスキマティックプランを検討することは、具体的な将来の目途が立たない中山間地域の課題に対する挑戦的研究であり、福島の再生に資するだけでなく、様々な環境リスクを抱える多くの地域の社会・生態的環境の再生と維持に寄与するものである。。 

担当研究者

阿部浩和(サイバーメディアセンター)、大塚紀子(ILS Research Institute for Regional and Urban Development)、宮川智子(和歌山大学)、R.クリストフ(愛媛大学)

キーワード

都市計画 土壌汚染 環境保全

応用分野

都市計画、建築計画、農村計画