研究
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子ども食堂プロジェクト
池田 光穂・松本 文子・上須 道徳(COデザインセンター)、渕上 ゆかり(工学研究科)
取組要旨
新型コロナウイルス対策として緊急事態宣言が出され、多くの都道府県で小学校、中学校、高等学校の休校が実施されました。しかし、国や地方行政による統一的な支援がなく、こどもたちを取り巻く環境の悪化が懸念されています。そこで、本プロジェクトでは大阪府下および兵庫県下のこども食堂へのアンケートを通じて、
1)普段こども食堂を運営されている皆様の視点からこどもを取り巻く環境や状況について
2)外出の自粛要請の中、こども食堂の活動に必要なものについて
調査を行い、行政、民間企業や研究教育機関など各方面に働きかけるための基礎情報を構築しました。現在は基礎情報を基に現地調査を実施し、現地の状況やニーズをより詳細に把握するとともに、課題解決に向けた関係者間のネットワーク構築に取り掛かっている。

研究成果・インパクト
今回の調査で、国や行政が果たすべき貧困世帯へのサービスのそもそもの不足が根本的な問題であること、コロナ禍のような非常時において公助不足の影響が顕著にでてしまうことが明らかになりました。また、多くのこども食堂が学校や教育委員会との連携を図ることができておらず子ども食堂間の連携も不在であることもわかりました。本プロジェクトは「誰一人取り残さない」地域社会の実現に向けて、客観的なエビデンスを基にこども食堂や教育行政のネットワーク構築および食材の提供システムの構築など具体的な課題解決解に貢献できると考えられます。
担当研究者
池田光穂・松本文子・上須道徳(COデザインセンター)、渕上ゆかり(工学研究科附属フューチャーイノベーションセンター)
備考
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言時に始まった本プロジェクトには大学院生も参加し多様なメンバーで活動を行っています。本プロジェクトの成果を発信し、新たなネットワークづくりの足掛かりを作るために2020年度中にシンポジウムを開催する予定です。
キーワード
子どもの貧困、包摂、教育、健康、地域
応用分野
子どもの貧困、包摂、教育、健康、地域