教育

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天然薬物学, 漢方薬学, 有機化学, 有機医薬化学

  • 大学学部生(学士)

授業科目など要旨

 天然薬物学では、生薬の歴史、形態および植物学的分類、さらに局方収載生薬だけではなく、海洋資源や微生物資源を含む天然薬用資源について概説する。そして、二次代謝産物の生合成を基礎に、現在、臨床で使用されている天然薬用資源由来の医薬品について、起原、含有成分とその化学構造、薬効と作用機序を解説する。また、講義内では、違法薬物についても触れる。天然薬物学の講義を基礎に、漢方薬学では、漢方処方に用いられる生薬の栽培、生産、品質管理について解説後、現代医療における漢方の位置付けと薬剤師の役割を講義する。また、漢方治療における疾患の捉え方を概説し、感冒、更年期障害、がん治療や手術後の体力低下などを例に、適用処方と構成生薬の役割について解説する。さらに、講義では、薬剤師として理解しておくべき、代表的な漢方処方の副作用についても説明する。
 有機化学、有機医薬化学ではこれら化合物の合成法や反応性(化合物そのものだけでなく標的タンパク質との相互作用を含む)についても議論する。

SDGs貢献可能性

 履修学生が、天然薬用資源由来の医薬品やその開発の歴史(合成法や生体内外での反応性を含む)、現代医療に融合させた漢方薬の利用を理解することを通して、感染症や薬物乱用等に対する新たな方策や指針の提示が可能な人材へと成長し、すべての人が健康と福祉を享受可能な社会形成に貢献することが期待される。また、天然薬用資源の現状や生薬の生産状況を知ることで、陸上資源や海洋資源の生物多様性の維持、天然薬用資源の持続的管理と利用の重要性が理解可能となり、資源の損失を阻止可能な社会の形成にも貢献することが期待できる。