教育 (Education)
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レジリエンス・エンジニアリングの医療への実装
授業科目など要旨
レジリエント・ヘルスケアとは、原子力・工学などの分野で芽生えたレジリエンス・エンジニアリングの考え方を医療に実装しようというものであり、従来の「失敗事例を分析し原因を特定し除去する」ことを目指すマネジメントの限界を理解し、医療を複雑適応系システムと捉え、「限られたリソースと変動の中で意図した目的を果たし続けるシステムをデザインする」ことを目指す新しい医療安全マネジメントの手法である。当部は我が国で初めてこの概念を医療に適用することを提唱し、2013年度から当部主催(文科省後援)全国国公私立大学附属病院医療安全セミナー等で普及活動を行うとともに、病院看護部研修、医科学修士課程、薬学部学士課程等の講義を通して多職種医療者および、学生、大学院生に対する教育に組み込んでいる。2019年度にはレジリエント・ヘルスケアをテーマとした国際・国内学会を主催し、学際的協働を通して新しいマネジメントの潮流をリードしている。
参照:当部HP(https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-cqm/ingai/index.html)
SDGs貢献可能性
レジリエント・ヘルスケアの概念に基づき、現場をよく把握したうえで俯瞰的視点から境界を越えてリソースや組織をつなぐことにより、柔軟、省力で建設的かつ持続可能な医療体制のマネジメントの実践を目指すことができる。医療へのニーズがますます増大・多様化する中で、現場の過重な負担を回避し、医療者と患者双方の質の高い暮らしの創出と維持、高度で質の高い医療の発展に貢献すると考える。
備考
【対象の課程(詳細)】
医科学修士、薬学部学士、大阪大学医学部附属病院職員、全国の国公私立大学附属病院医療安全従事者・医療安全管理責任者等