教育

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患者さんと医療者のパートナーシップ 阪大「いろはうた」

  • 医歯薬生命系
  • 医学部附属病院
  • 入院患者
  • 病院職員

授業科目など要旨

 当院では、患者さんの医療への積極的な参加を促し、患者と医療者とのパートナーシップを深めることを目的に、阪大病院「いろはうた」プログラムを独自開発し2010年6月から運用開始している。全入院患者に「いろはうたファイル」を配布し、看護師からの説明および入院ベッドサイドのテレビ放送で案内している。具体的には7つの句とイラストで、検査や治療時に患者さん自身から名前を伝えてもらうこと(患者誤認の防止)、院内ではスリッパでなくかかとを覆う靴をはくこと(転倒予防)、内服薬について疑問点があれば確認すること(自己管理の促進と誤投薬の防止)、遠慮なく質問したり勉強したりして納得いく治療を選択してもらうこと(患者中心の医療)等の、入院生活をより安全・安心なものとするための医療者と患者の協働を促すものである。全職員が「患者さんと医療者のパートナーシップ」バッジを着用し、患者協働の理念を共有している。
参照:https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-cqm/ingai/instructionalprojects/partnership/iroha01/index.html

SDGs貢献可能性

 2019年度までに延べ約19万人に実施し、アンケート調査では実際にそれぞれ約8割の患者が「医療者に話しかけやすくなった」「入院生活を安心して送ることができた」「病気や治療のことに積極的に関わりたいと思った」と回答した。親しみやすいイラストと句、教育ツールの整備により、患者参加の重要性を継続的に周知することが可能となっている。医療への患者参加は、エラー回避だけでなく、自己管理能力の獲得を促すことを通じて退院後の生活の質向上と予後改善に寄与すると考える。このプログラムは医療の質安全学会第7回「新しい医療のかたち」賞、第5回学術集会「ベストプラクティス賞」や国際学会招待講演など国内外で高く評価されている。

備考

【対象の課程(詳細)】
大阪大学医学部附属病院に入院される全患者および職員