教育

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現代の医療と生命を考えるー若者のためのヘルスリテラシー

山本 陵平(キャンパスライフ健康支援・相談センター)

  • 全学・学際など
  • キャンパスライフ健康支援・相談センター
  • 大学学部生(学士)

授業科目など要旨

大学の共通教育は、以前は「教養」と呼ばれていたが、いつしか「教養」は大学教育から後退した印象がある。副題に用いた「リテラシー」は読み書きの能力、教養があること、という意味であるが、健康問題への理解は誰もが身につけるべき基本的教養の一つである。昨今の大学教育は、即戦力を求める社会の要請もあって、従来にも増して専門教育にその軸足を移し、学生諸君が教養を身につける機会が損なわれている印象が拭えない。大学は高等教育機関であり、専門教育のみを行うのではなく、リベラルアーツにも力を注ぎ、高い見識を備えた人材を育成する役割を積極的に果たすべきであると思う。本講義がこの慌ただしく、情報の氾濫する時代に、次代を担う学生諸君が揺るぎない「健康観」を育むためのよい導きとなることを目標としている。

SDGs貢献可能性

「現代の医療と生命を考えるー若者のためのヘルスリテラシー」では健康の定義から入り、わが国の医療制度の紹介、健康診断の仕組み、そして薬の使い方、検査の意義や、移植医療、救命救急、また、こころの問題など幅広く健康をとりまく問題について毎回の授業で取り上げ、次代を担う学生諸君が健康、医療を巡る話題、問題を適切に理解し考えを深めていくための端緒を提供する。健康・福祉に関連するテーマについて毎回、テーマにそって自発的に思考するに必要な情報を提供し、それらについて単に知識を得るのみならず、問題点を掘り起こし、解決策を考える機会を与えている。毎回、自ら考えたことをレポートとして提出を求め、最終的に2つのテーマについて深く考察する論文形式の報告書提出を課している。講義の進行にともなって、学生諸君の健康・福祉に関する関心・理解が高まっていくことが教員として実感される。専門分野を問わず受講生を募っており、それぞれのキャリアを考えるなかで、行政であったり、国際貢献であったりという社会をよりよいのもとすることにアプローチ可能な職を目指す者も含まれることが想定されており、そのような方向性を目指すきっかけとなる講義となることを強く願っている。