教育

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集団力学

担当教員: 綿村 英一郎(人間科学研究科)

  • 人文学社会科学系
  • 人間科学研究科・人間科学部
  • 大学学部生(学士)

授業科目など要旨

2020年度春夏学期における標記授業科目「集団力学」では,コロナ感染症による社会的混乱でみられた人の集団心理について,刻々と変わる状況をタイムリーに観察しつつ講義形式で授業を行いました。「疾風に勁草を知る」という故事にもあるように,コロナ禍でみられた弱者に対する差別や攻撃はヒトが元来持っている(集団的動物たる)ヒトとしての本質のうち,その美しい部分から醜い部分を切り離してくれました(という実感を多くの方が持たれたと思います)。コロナ感染症のような社会的混乱はそうたびたび訪れることはありません。「人種差別はダメである」といった言説はタテマエ上当たり前ですが,切羽詰まった状況でどれほど実行・発揮される公正観なのかといった問題の検証はやはり必要であり,コロナ感染症と絡めた本講義は受講生と議論を深める良い機会になりました。

SDGs貢献可能性

受講者には「講義内容をふまえて考察せよ」との内容で,コロナ禍に見られた現象についていくつかのレポートを課しました。回答をざっくり集約すると,「タテマエとしての主張とは裏腹にしでかす過ちがあり,それを認識していても合理的に行動できない集団心理がある」ということがよくわかります。講義中にレポートをフィードバックし受講生と考察することにより,タテマエとしてのいのち構想の障壁になりうる集団心理の影響が何か,共有することができました。