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【イベント開催報告】2026年3月1日(日)、阪大万博トークイベントFinal「若者が描く未来社会~万博が私たちに残したもの、それをどう活かすか?」を開催しました
大阪大学万博推進室が、「2025年大阪・関西万博」開幕前の2022年から開催してきた「阪大万博トークイベント」の8回目を「Final」として3月1日(日)、会場をキャンパスから大阪市北区中之島の「Nakanoshima Qross2階 Qrossover Lounge 夢」に移して開催(一般財団法人未来医療推進機構共催)しました。「若者が描く未来社会~万博が私たちに残したもの、それをどう活かすか?」をテーマとし、会場には約130人が参加、オンラインでも約70人が聴講しました。総合司会を本学外国語学部卒業生の小川真由さんが務めました。
冒頭、万博担当の竹村景子理事・副学長が「そうそうたる方々が登壇してくださるので、楽しみです。また、阪大の学生はおとなしいというイメージがありますが、対万博においてはそれを覆すようにとても活発に活動しました。このイベントでは学生の頑張りも伝えたい」とあいさつしました。
続いて、会場を提供して下さった未来医療推進機構の澤芳樹理事長が「私たちのNakanoshima Qrossは、大学と産業界との橋渡しをする活動を展開しています。iPS細胞を使った心筋シートを万博で展示したところ、数百万人に見てもらえ、手ごたえを感じました。子どもたちも興味を持ってくれ、夏休みの自由研究のテーマにもしてくれたと聞きます」などと共催者あいさつをされました。


●アンドロイドを巡り石黒教授が基調講演
アンドロイドロボット研究で知られる石黒浩・基礎工学研究科教授が「いのちの未来」と題して基調講演し、万博のテーマ事業プロデューサーとして出展したシグネチャーパビリオンを軸に解説。「人間がテクノロジーの力で命をどうやって広げるか、50年、100年先の人間の姿を描きました」「協賛企業の若い人たちと早い準備段階から企画を進めたことも有意義でした。科学技術によって深まる文化を追求。日本文化の美しさは自然との共生にあります。日本建築の障子は、内と外とを分けていません。月影を内から感じられますし、外からは部屋のローソクの灯る生活が見えます。日本の未来はもっと自然豊かになるべきでしょう。ロボットも自然物を意識してデザインしています」「パビリオンでは、おばあちゃんと孫娘の物語が人気を博し、3割が涙していました。死後、アンドロイドとして残りたいか否かをアンケートもしました。孫娘から望まれたら、アンドロイドを希望する人はもっと増えるかもしれません」と、さまざまな視点で語りかけました。
●澤理事長―石黒教授対談「INOCHIをキーワードに平和追求」
続いて、前日に急遽決まった澤理事長と石黒教授のトークが行われました。澤理事長は万博開会式を振り返り「大屋根リングの中に世界各国がワンワールドでまとまり、平和といのちの重みを感じて感動しました。アンゴラの人が『コロナは終わっても、マラリアは終わっていない』と語った言葉に、命が今も失われるつらさを医療者として覚えました」と述べました。石黒教授は「世界中で、どうして紛争がなくならないのでしょう? ロボット、AIを正しく平和のために使うように持っていかなくてはなりません。また、人間が環境を守ることも壊すこともできるようになったら、未来は全て人間の責任になります」と語りました。澤理事長は命をキーワードに「『INOCHI』を世界共通語にしたい。私たちは『いつ死ぬかもしれない』という緊張感を持ち、そして地球の健康にも思いをはせたいですね」と呼びかけました。


●座談会で「学生はキャンパスを飛び出して積極的に活動」
続いて5人による座談会を展開。田中敏宏統括理事・副学長は学生3団体「a-tune」「阪大ローバース」「はまでいず」の活動を紹介したうえで、「学生たちはもはやキャンパス内にとどまらず、学外に飛び出して活動しています。万博がターニングポイントになりました」▽堂目卓生・社会ソリューションイニシアティブ長は「23年から関西経済3団体とともに『いのち会議』として活動し、万博会期末には『いのち宣言』を発信し、今後も会議を継続します」▽培養肉を展示した松﨑典弥・工学研究科教授は「万博で多くの方に観てもらい、その後は大阪科学技術館、東京の日本科学未来館を皮切りに全国を巡回しています。高校生からの見学希望も寄せられているのが嬉しいです」▽MeWプロジェクトを展開する杉田映理・人間科学研究科教授は「生理用品とディスペンサーを万博会場9か所に設置し、いつでも使ってもらう活動をアピールしました。アンケートに『感動して泣きそうになった』という声もありました」などと発言。栗本聡・万博推進室長がファシリテーターを務め、意見交換を行いました。
休憩をはさんで学生ピッチを行い、a-tuneの坂下空蒼さん、WAKAZOの駒田真理菜さん、工学部の荒木志織さん、MeWプロジェクトの伊藤久美さん、原聡美さんがそれぞれ活動や展望を語り、「子どもたちとも一緒に『いのち』について考えることができました」などと発言しました。
最後のパネルディスカッションは、学生も交えて展開しました。まず、万博テーマ事業ディレクターを務めた澤田裕二さんが、学生ピッチに対して講評。続いて「各国の万博に48年間かかわり、『万博は人生最大のチャンス』と言い続けてきました。今回は大阪という地が、より良いものにしたと思います。阪大の関係では、MeWプロジェクトで男性が月経について考えるようになり、WAKAZOは『死』を取り上げることによって『いのち輝く』というテーマを浮き立たせてくれました」などと評価してくださいました。最後に新藤一彦・万博推進室副室長が「地球規模の課題を解決するため、INOCHIをいろんな側面から考えることができました」と総括しました。



閉会後、万博推進室のメンバーが、足掛け6年にわたる活動を一人一人振り返り、3月末に出版する「阪大も輝いた大阪・関西万博」の紹介もしました。この本は非売品ですが、大阪の主要な図書館に寄贈する予定です。
また、会場入り口に万博パビリオンなどで提供されたスタンプの一部を設置したところ大人気で、行列ができました。



