研究 (Research)
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生命ケミカルバイオロジー:免疫制御技術開発への展開
取組要旨
本取組では、「医薬と健康」に関する研究分野において重要な拠点として機能している国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所(以下、医薬健栄研)との協働により、化学的手法と生命科学的手法を統合した免疫制御研究を推進します。免疫機構は複雑ですが、自己と非自己の分子認識を基盤として生体防御にあたり、身体の恒常性の維持(ホメオスタシス)にも働いています。その中で、細菌由来の様々な分子は、免疫系に働きかけ、免疫を活性化したり、調節したりします。そこでは、タンパク質だけでなく、糖鎖や脂質なども免疫の活性化や維持に働いています。本取組では、それらの働きの解明と分子レベルでの制御を目指した基礎科学研究を推進しています。将来的には、基礎研究で得られた免疫制御の分子基盤を基に、COVID-19を含む社会的要請の強い感染症などの疾患を対象に、安全性と効力の両方が高いワクチン開発へと展開します。また基礎研究の成果は細胞治療、免疫創薬、ヘルスケア、高機能食品などの応用にもつながります。
研究成果・インパクト
本取組では、これまで世界で最先端のケミカルバイオロジー研究を展開してきた本学理学研究科化学専攻を中心とした化学分野の研究者と医薬健栄研の研究者が協働し、生体分子の機能解析やそれらを用いた生体応答の制御といった化学と生命科学を融合させた研究展開により、アカデミア発の医薬品開発など、SDGsの目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」という理念に合致した大きな社会貢献、次世代を担う人材の育成が期待できます。
担当研究者
深瀬浩一、梶原康宏、樺山一哉、下山敦史、真鍋良幸、國澤 純、河原 正浩、井ノ口仁一
※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
深瀬 浩一
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2017/g004362/
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2017/g004361/
備考
キーワード
ケミカルバイオロジー、糖鎖、免疫制御、ワクチン
応用分野
ワクチン開発、細胞療法、免疫創薬、ヘルスケア、高機能食品の開発