研究 (Research)

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グレーからグリーンへ:浮体式洋上風車による脱炭素社会の実現

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

取組要旨

この文脱炭素社会の実現のために、世界中で様々な再生可能エネルギーが検討されています。とりわけ海に取り囲まれる日本では沖合の浮体式洋上風車による発電はそのための切り札であると考えられます。洋上で発電された電力は陸上に送電され、あるいは洋上で水素に変換後陸上に輸送され、グリーンなエネルギーになります。我々は、水平軸型の浮体式風車のための数値シミュレーションツールの開発、垂直軸型の浮体式風車のための数値シミュレーションツールの開発、犬飼池でのデモンストレーション実験、浮体の強度と浮体を定点にとどめおくための係留系の強度・耐久性の検討、地域社会のおける受容の分析調査などを行い、浮体式洋上風車の最適なシステムを模索しています。工学研究科が所有する長さ100m、幅8mの巨大な試験水槽を用いた縮尺1/50-1/100程度の模型の実験により性能検証ができることも大きな強みです。様々な会社・研究機関と浮体式洋上風車に関する共同研究も実施しています。

研究成果・インパクト

今後、持続可能な社会に向けてクリーンでグリーンなエネルギーを利用していく必要があります(SDGs7, 13)。洋上浮体式風車はクリーンなエネルギー創出・脱炭素社会実現に寄与します。洋上の水素ステーション、大型養殖などの新たな海洋活動の起点となり、それは陸域での持続的な生活を支えるでしょう(SDGs11, 14)。現在、一部の浮体式洋上風車は実証段階にありますが、今後の浮体式洋上風車の大型化・ファーム化・商業化に向けて、一層のシステム最適化が必要とされます。評価シミュレーション技術や試験水槽での模型試験技術などの要素技術をさらに磨くこと、そして浮体式洋上風車のシステム最適化検討のため検討を進めていきたいと思います。

担当研究者

飯島一博・千賀英敬・飯田隆人・武内 崇晃(工学研究科・地球総合工学専攻)

備考

キーワード

脱炭素、浮体式洋上風車、再生可能エネルギー

応用分野

地域住民へのクリーンなエネルギーの提供、電動自動車のための電池セル充電・水素ステーションなど基盤整備