研究 (Research)

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スキルミオンを用いた超低消費コンピューターの開発

アルバック未来技術協働研究所

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

取組要旨

アルバック未来技術協働研究では基礎工学研究科と共同でスキルミオンを用いた超低消費電力のコンピューティングを目指した研究を進めています。スキルミオンは磁性体内部に出現する磁極粒子であり、電子に替わる新たな情報の担い手として期待されています。
本研究ではスキルミオン同士の間に反発的な相互作用がはたらくこと、ならびに、スキルミオンが固体中でブラウン運動をすることの2つの特徴を利用する新原理のコンピューター開発を目指しています。ブラウン運動とは、微小な粒子が環境の熱によりランダムに動き回る現象です。このランダムな運動をコントロールし、情報の流れをつくることができれば、情報の処理を環境の熱で行うコンピューターが実現できます。
我々のグループではスキルミオンがブラウン運動できる領域を制限する手法を開発し、スキルミオン間の反発によりゼロエネルギーで情報の伝達を行えることを示しました。

研究成果・インパクト

IoTや5Gなどにより進展するスマート社会化は持続可能な社会の基盤となることが期待されると同時に電子機器における電力需要の増加を引き起こすことが懸念されます。本研究では電気エネルギー消費を極限まで減らしたコンピューターを開発し、スマート社会に実装することで、すべての人々が持続可能なエネルギーへアクセスできる社会の実現を目指します。

担当研究者

石川 諒(アルバック未来技術協働研究所)

備考

キーワード

スピントロニクス, スキルミオン

応用分野

電子機器