研究 (Research)
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超高難度メタン酸化反応を活用した新反応の開発と高分子材料・デバイスへの応用
取組要旨
亜塩素酸イオンを主成分とする除菌消臭剤の創薬相談から水性のラジカル活性種の生成メカニズムを解明したことを機に超高難度酸化反応であるメタン酸化の反応が発見された(Angew. Chem. Int. Ed.(2018))。本発見を基に「安全な酸化剤による革新的な酸化反応活性化制御技術の創出」と題した様々な応用化研究が推進されており、メタノール合成以外にも様々な酸化反応が高効率、かつ、安価に進行し、低炭素社会の構築に貢献できる可能性を秘めている。また、プラスチック表面のみに酸素官能基を導入して親水化を付与でき(Chemical Comm. (2019))、マグネシウムイオン電池のためのセパレーターの耐久性を従来の40倍以上も向上させたことでも注目されている。メッキや接着など、様々な材料の高機能化が可能であったほか、理化学機器や医療機器への応用化も検討されている。中でもクライオ電子顕微鏡のツールへの応用化では、創薬標的のタンパク質をグラフェン膜上に固定化して整然と並べることが可能で、試料調製の大幅な時間短縮を可能とし、創薬にも貢献している。
研究成果・インパクト
プラスチックや材料の成型加工後の酸素官能基の導入と化学修飾が簡便にできるようになった。マグネシウムイオン電池のセパレーターの開発や、グラフェン膜上へのタンパク質固定化キットの開発が進行中で、クライオ電子顕微鏡を用いた創薬標的タンパク質の迅速構造解析が可能となっている。医療材料も含め応用範囲は極めて広く、インパクトも大きい。
担当研究者
大久保 敬(高等共創研究院)、板橋 勇輝(先導的学際研究機構)、淺原 時泰・井上 豪 (薬)、難波 啓一・牧野 文信・藤田 純三(生命機能)、馬場 耕一・西田 幸二(医)、豊田 岐聡(理)、中川 敦史・藤原 敏道・加藤 貴之・高木 淳一・廣瀬 未果(蛋白研)
※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
大久保 敬
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2019/v4xvi8/
井上 豪
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2020/iibe11/
難波 啓一
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2014/201409_01/
西田 幸二
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2020/specialite_001_2/
キーワード
超高難度酸化技術を用いた高分子表面酸化修飾、セパレーター、マグネシウムイオン電池、デバイス応用分野
応用分野
燃料電池、セパレーター、マグネシウムイオン電池、生分解性ポリマー、医療機器・理化学機器の開発