研究 (Research)

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核酸標的小分子リガンドを用いたRNA高次構造と機能の制御 (Regulation of RNA higher-order structure and function using synthetic small molecules targeting nucleic acids)

准教授 堂野 主税(産業科学研究所 精密制御化学研究分野) DOHNO Chikara(SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 産業科学研究所 (SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))

特徴・独自性

ヒトゲノムの7割を超える領域はRNAへと転写されるが、そのうちタンパク質をコードしているRNAは5%にも満たない。タンパク質へ翻訳されないRNAも生体内で多様な機能を担っており、また新規機能の発見も相次いで報告されている。従来の生命現象の理解と制御、創薬標的の主役であったタンパク質、DNAに加えて、機能未知を含む膨大な機能性RNA群が今後重要となることは疑いない。我々は顕在化してきた機能性RNAを標的とした小分子リガンドを創成し、細胞機能、生命現象の制御を目指している。一本鎖であるRNAは多様な高次構造形成が可能であり、その構造は機能に深く関わる。本研究では、高次構造形成により酵素活性を発現するRNAであるリボザイムに着目し、合成小分子リガンドによる活性調節に成功した。小分子リガンドが結合することにより、リボザイムの高次構造変化が誘導され、酵素活性が制御される。本系をヒト培養細胞に組み込むことにより、遺伝子発現制御にも成功しており、RNA標的小分子リガンドの効果を実証した。

研究の先に見据えるビジョン

RNA標的小分子リガンドを基盤とする戦略は、高次構造と機能を相関付けることのできる様々な機能性RNAへと展開可能である。モデル細胞構築など合成生物学的活用のほか、RNAを標的とした新しい創薬戦略の確立とその実用化を目指している。

担当研究者

准教授 堂野 主税(産業科学研究所 精密制御化学研究分野)

キーワード

RNA/リボザイム/核酸標的小分子/創薬/合成生物学

応用分野

創薬 / 医療・ヘルスケア

参考URL

https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/rbc/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。