研究

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パワーレーザーでミニ太陽を作る!

教授 藤岡 慎介(レーザー科学研究所)

  • 理工情報系
  • レーザー科学研究所

特徴・独自性

地上の全ての生命の根元である太陽の膨大なエネルギーは、核融合反応によって生み出されています。我々は恒久的に持続可能な人類社会の実現の為に、パワーレーザーを用いて、水素同位体で構成されたミニ太陽を実験室内に作り出します。太陽中心の温度と圧力を凌駕する状態を達成するため、パワーレーザーを水素同位体に照射して高密度に圧縮し、この高密度な水素同位体をパワーレーザーで瞬間的に加熱し、その加熱の効率を向上させるために、パワーレーザーで作った強磁場を利用しています。世界中でミニ太陽を作る試みが行われていますが、安定な圧縮を実現する水素同位体の形状、強磁場の利用等に我々の独自性があり、他のアプローチを越えるエネルギー効率でミニ太陽を作ります。

図 パワーレーザーでミニ太陽を作った瞬間

研究の先に見据えるビジョン

ミニ太陽の実現による膨大なエネルギーの獲得は、人類が地球から飛び立つ宇宙大航海時代へのきっかけになるかもしれません。国内企業や海外のベンチャー、投資家達は、ミニ太陽で駆動されるロケットでの地球-火星間航行に強い関心を示してます。また、地上で作るミニ太陽を使って、宇宙で起こっている極限現象を実験室内で再現し、その詳細を明らかにする研究が行われています。このように我々は柔軟に、知的好奇心と社会要請に基づいて、幅広い研究を展開していきます。

図 独自アプローチによる太陽を凌駕する状態の実現

担当研究者

教授 藤岡 慎介(レーザー科学研究所)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2014/201409_01/

キーワード

パワーレーザー/太陽エネルギー/レーザー核融合/水素同位体

応用分野

高輝度放射線源/エネルギー

参考URL

https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2018/20180926_1
http://lf-lab.net/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。