研究 (Research)

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深紫外域吸収を利用した3次元光ナノ造形法の開発 (Development of a three-dimensional optical nanofabrication method using deep-ultraviolet absorption)

教授 藤田 克昌、招へい研究員 田口 敦清( 工学研究科 物理学系専攻) FUJITA Katsumasa, TAGUCHI Atsushi(Graduate School of Engineering)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

取組要特徴・独自性

3次元造形技術は、複雑な3次元構造を造形できるため、エレクトロニクスから再生医学まで幅広い分野で応用可能であり、研究開発さらには実際のものづくりに活用されています。その中でも、2光子吸収による光重合反応を利用した2光子造形法はナノサイズの3次元造形を可能にします。これまでは近赤外光による励起が使われていましたが、吸収されるエネルギーが低く、利用できる光化学反応・材料が限定されていました。本研究では、可視光を用いながらも、深紫外光レベルの光吸収を利用する3次元造形法を開発しました。可視光の2光子吸収により深紫外光照射と同じ効果を発生させ、エネルギーの高い深紫外域での光化学反応を誘起できるため、従来法では使用できなかった光化学反応・材料を光造形に利用できるようになります。これまでにアクリル樹脂、金属酸化物、生体材料での3次元マイクロ・ナノ造形に利用できることを示しました。本技術は、材料の純度向上、加工分解能の向上(80 nm)、2光子吸収の効率化(従来法の約7倍)を達成し、3次元ナノ造形法に革新をもたらしました。

研究研究の先に見据えるビジョン

本研究で開発した装置は、高い加工分解能、幅広い材料選択、高効率での3次元ナノ造形を可能にします。我々の研究グループでは、生体適合材料の3次元ナノ造形に着目しており、本研究成果は3次元バイオプリンティングへ応用が期待できます。将来的には、診断用の組織チップの作製や血管の1つ1つまで緻密に再現したミニ造形プリンティングに応用でき、生体組織工学・再生医学分野の基礎研究を推し進めることができます。

担当研究者

教授 藤田 克昌、招へい研究員 田口 敦清( 工学研究科 物理学系専攻)

キーワード

2光子吸収/3次元ナノ造形/深紫外/金属酸化物/バイオプリンティング

応用分野

材料工学/エレクトロニクス/組織工学/創薬

参考URL

https://lasie.ap.eng.osaka-u.ac.jp/home_j.html

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。