研究 (Research)

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分子の自発的集積により構築する有機多孔性材料 (Organic porous materials constructed by spontaneous accumulation of molecules)

教授 久木 一朗(基礎工学研究科 物質創成専攻) HISAKI Ichiro(Graduate School of Engineering Science)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 基礎工学研究科・基礎工学部 (Graduate School of Engineering Science, School of Engineering Science)

特徴・独自性

明確に規定された形、径、化学的性質の空孔をもつ多孔質材料は、構造に応じて気体、低沸点炭化水素、機能性分子、薬剤を選択的に吸着、所蔵、放出できるため、材料科学、環境科学、生命科学など幅広い分野での応用が期待できる。特に水素結合により形成される多孔性材料(HOF)は、高結晶性、簡便な製造工程、自己修復性・再利用性の観点から興味深い。ヘキサアザトリフェニレンの単結晶性HOFは、CO2に吸着選択性を示す。またヨウ素の吸着挙動を、単結晶を用いて容易に確認できる。さらに機能骨格をカルボキシフェニル基で修飾した分子からHOFを構築することで、外部から分子を吸着できる多孔性と、分子固有の機能性とをもち合わせた、複合機能性の多孔質材料へと展開できる。例えば、化学物質に対する選択的分子ふるい、好感度センサー、ドラッグデリバリーなどへの展開が可能である。これまでに塩化水素に応答して呈色する多孔質結晶を開発した。

研究の先に見据えるビジョン

HOFは、使用後に劣化しても溶媒に溶解させて再結晶化することで、精製と構造体の再構築を同時にできる持続可能な材料である。さらに将来、天然由来の環境負荷の無い分子から“よく設計されたHOF”を構築することで、化石資源に頼らない、生体にも投与できるなど、持続可能な人間の暮らしを支える汎用機能材料が実現できると期待している。

担当研究者

教授 久木 一朗(基礎工学研究科 物質創成専攻)

キーワード

有機結晶/多孔性/センサー/ガス吸着/分子ふるい

応用分野

有機材料/吸着材料

参考URL

http://www.chem.es.osaka-u.ac.jp/mac/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。