研究

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不妊治療・避妊薬開発をめざす不妊モデルマウス開発と標的因子探索

教授 伊川 正人(微生物病研究所 附属感染動物実験施設)

  • 医歯薬生命系
  • 微生物病研究所

特徴・独自性

我々の研究室では、不妊原因の究明と避妊薬開発を目指して研究を進めています。具体的には、最新のゲノム編集技術を用いて遺伝子改変マウスを作製し、表現型を解析します。2015年には、精子特異的に存在するカルシニューリンが精子の運動能力獲得に必須であること、さらにその阻害剤が一時的な雄性不妊を誘導できることを示しました。2020年には、精巣で作られたNELL2因子が、管腔を通って隣の組織 (精子成熟を司る精巣上体) の分化を制御し、雄の妊孕性獲得に必要であることを示しました。そのほかにも、精子形成や精子機能に必要な50以上の因子を見つけており、ヒト不妊症との関連を調べています。また、避妊薬の開発を目指し、米国ベイラー医科大学と共同して、DNAエンコード小分子をスクリーニングしています。

研究の先に見据えるビジョン

日本を含む先進諸国では6組に1組のカップルが不妊に悩み、2018年に日本では15人に1人が体外受精で生まれています。一方、米国の2011年の統計では、6.1百万妊娠の内、45%が望まれない妊娠であったと報告されています。生殖医療・避妊薬の開発は人口問題・家族計画などを含め男女共通の問題でもあり、最善の解決策を提供することでよりよい社会の実現を目指します。

担当研究者

教授 伊川 正人(微生物病研究所 附属感染動物実験施設)

キーワード

ゲノム編集/生殖医療/家族計画

応用分野

医療・ヘルスケア/創薬/畜産

参考URL

http://www.biken.osaka-u.ac.jp/achievement/research/2020/142 https://egr.biken.osaka-u.ac.jp/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。