研究 (Research)

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疾患・老化の予防回復技術の創出を目指した小型魚類の特性を活かした未知の生体防御機構の解明とそれを基盤とした疾患・老化予防技術の創出 (Elucidation of unknown biological defence mechanisms based on the characteristics of small fish for the creation of disease and ageing prevention and recovery technologies)

教授 石谷 太(微生物病研究所 生体統御分野) ISHITANI Tohru(Research Institute for Microbial Diseases)

  • 医歯薬生命系 (Medical, Dental, Pharmaceutical and Life Sciences)
  • 微生物病研究所 (Research Institute for Microbial Diseases)

特徴・独自性

小型魚類ゼブラフィッシュとターコイズキリフィッシュ(略称キリフィッシュ)の特長を活かし、未知の生体防御機構の探索を行っている。最近では、イメージング解析に適したゼブラフィッシュを用いた解析により「個体発生を支える細胞品質管理機構」を発見した。この機構は、動物の発生過程で“場に不適合な異常細胞”が出現した際に起動し、周辺細胞が異常細胞を感知して細胞死を促して排除する。この機構が破綻すると、異常細胞が蓄積し、疾患(腫瘍形成など)を発症しやすくなる。現在、この新たな生体防御機構とヒト疾患との関連を解析している。また、孵化後3ヶ月で急速成長・老化して死に至る特性を持つキリフィッシュを用いて老化メカニズムを解析しており、“若さの維持に関与する酵素や血中代謝物”の候補を見出しつつある。

研究の先に見据えるビジョン

病気の起こりを防ぐ細胞品質管理機構に注目し、先天性疾患のみならずがんなどの成人疾患の予防法を確立したい。また、キリフィッシュを用いて全身全細胞における加齢による遺伝子発現・代謝などの変化を網羅的に解明し、その意義を動物で検証するとともに、ヒト老化に関する情報と照会することで「老化リスク因子カタログ」を作成したい。さらにそれを基盤として異分野連携により「革新的老化予防・回復技術」を確立し、全ての人の健康向上に貢献したい。

担当研究者

教授 石谷 太(微生物病研究所 生体統御分野)

キーワード

疾患防御/老化予防/健康寿命延伸/短期間で評価可能なヒト疾患・老化モデル

応用分野

医療・ヘルスケア/創薬

参考URL

https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2019/20191017_1

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。