研究

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脳全体を高速・高精細に観察できるイメージング装置の開発

准教授 笠井 淳司 教授 橋本 均 (薬学研究科 神経薬理学)

  • 医歯薬生命系
  • 薬学研究科・薬学部

特徴・独自性

脳は、多数(マウス脳は約1億個、ヒト脳では約1000億個)の細胞(神経細胞やグリア細胞と呼ばれる細胞)で構成され、領域や神経回路毎に異なる機能が担われています。笠井准教授らは近年、脳全体を細胞レベルで捉えるための高速・高精細全脳イメージング装置FAST(block-face serial microscopy tomography)を開発しました。このFASTを用いると、全脳から個々の細胞を識別して、その空間位置情報を取得でき、脳の三次元構造や疾患モデル動物における構造変化、神経細胞の活動状態を全ての脳領域から網羅的に検出することが可能になりました。また、精細性を維持したまま、高速化したことで、マーモセットのような非ヒト霊長類の脳を、マウス脳と同じ高精細さで撮影することが可能になりました。

研究の先に見据えるビジョン

本技術を駆使して、疾患モデル動物や非ヒト霊長類脳、死後脳などの脳構造・機能変化を明らかにしてくことで、ヒトと動物の脳のしくみの違いや、私たちの感情や思考を制御する仕組み、脳疾患の病態を理解することにつながると期待されます。また、治療薬による細胞レベルの活動変化を脳全体から捉えることにより薬効発現の神経メカニズムの解明につながることが期待されます。

担当研究者

准教授 笠井 淳司 教授 橋本 均
(薬学研究科 神経薬理学)

キーワード

脳/イメージング/精神疾患/創薬

応用分野

創薬/精神疾患

参考URL

http://molpharm.umin.jp/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。