研究 (Research)

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マルチカラーイメージング用19F MRIプローブ (19F MRI probe for multicolour imaging)

教授 菊地 和也、准教授 蓑島 維文(工学研究科 応用化学専攻) KIKUCHI Kazuya, MINOSHIMA Masafumi(Graduate School of Engineering)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

特徴・独自性

MRIは、組織深部を非侵襲的に画像化できるin vivoイメージング法である。特に、フッ素を観測核とした19F MRIは、生体にフッ素がほとんど存在しないので、投与した19F MRIプローブのみを選択的に画像化でき、生体において特定のシグナルを追跡することに優れている。われわれはこれまでに、スイッチング機能を有する高感度19F MRIプローブを開発し生体深部での酵素活性を可視化することに成功し、他の技術では見えない分子機能や病態組織を可視化してきた。この発展型として今回、多種類の細胞や病態組織を色分けして可視化できるマルチカラーイメージング法を実現した。


19F MRIプローブを用いたマルチカラーイメージングの模式図。異なる化学シフトを有するフッ素化合物(PFCA、PFCB)を用いることで、生体内におけるプローブの局在を選択的に画像化することが可能である。実際にはこれらのPFCを内包したシリカナノ粒子を19FMRIプローブとして作製し、マルチカラーイメージングを達成している。

研究の先に見据えるビジョン

本技術では、化学プローブをデザイン・合成することで、生体分子や細胞の機能を時間と空間を特定してin vivoでの機能解明を可能とする。そこで、測定したい分子との反応に着目して化学プローブをデザインし、分子認識あるいは酵素反応を分光情報へと変換することで、より難度の高いin vivo(動物個体)応用可能な19F MRIプローブを作製し、新たな生命現象を見いだす能力のある堅牢な(robust)化学ツールとなるよう分子デザインを展開する。

担当研究者

教授 菊地 和也、准教授 蓑島 維文(工学研究科 応用化学専攻)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
菊地 和也
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2019/wso6c9/

キーワード

FMRI/in vivo imaging/multi-color imaging

応用分野

医療・ヘルスケア/ナノ科学

参考URL

https://www-molpro-mls.eng.osaka-u.ac.jp/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。