研究 (Research)

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ヨウ素反応剤を活用する有機窒素化合物の合成 (Synthesis of organic nitrogen compounds utilising iodine reactants)

助教 清川 謙介(工学研究科 応用化学専攻) KIYOKAWA Kensuke(Graduate School of Engineering)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

特徴・独自性

有機窒素化合物は天然物や医薬品などに広く見られ、合成化学や医農薬学など幅広い分野で利用されている重要な化合物である。これまでに有機窒素化合物の合成法は活発に開発されているが、未だに希少金属反応剤を用いることに起因する環境負荷などが大きな課題となっている。ヨウ素反応剤は毒性が低く、環境調和の観点からも注目されている。我々は、ヨウ素のユニークな反応性を活用した有機窒素化合物の合成法(アミノ化)の開発を推進している。その中で、新たなアミノ化を開拓するために、ヨウ素の「超原子価特性」に着目し、窒素官能基を有する独自の超原子価ヨウ素反応剤の開発に成功した。実際にこれらの反応剤を活用することで、医薬品合成の中間体としても有用な非天然型α-アミノ酸誘導体をはじめとする種々の有機窒素化合物を金属反応剤を用いることなく、極めて簡便に合成することに成功した。

研究の先に見据えるビジョン

本技術は、様々な有機窒素化合物を遷移金属反応剤を用いることなく合成可能となる点において、医薬品合成分野の発展に大きく貢献できると考えている。なぜなら、極微量でも遷移金属が残存すれば、医薬品に及ぼす毒性ならびに物性に大きな支障をきたすためである。さらに、反応工程の削減に伴うエネルギーも減少し、環境・資源問題の解決、ひいては持続可能な社会の実現に貢献できると期待している。

担当研究者

助教 清川 謙介(工学研究科 応用化学専攻)

キーワード

有機合成化学/創薬/有機窒素化合物/ヨウ素/アミノ化

応用分野

創薬/エネルギー

参考URL

http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/̃minakata-lab/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。