研究

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X線、NMRと電子顕微鏡を併用した巨大タンパク質複合体の分子モデル構築と機能改変

教授 栗栖 源嗣(蛋白質研究所 蛋白質構造生物学研究部門)

  • 理工情報系
  • 蛋白質研究所

特徴・独自性

機能分子であるタンパク質は、細胞内でネットワークを形成しながら機能を発揮しています。我々は、X線結晶学やクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子構造解析の手法で複合体状態の働いているタンパク質を可視化し、その動作原理を理解しようと研究しています。研究室では、生体エネルギー変換反応に着目して、藻類の光合成エネルギー変換とダイニン分子モーターに着目しています。特に膜タンパク質と可溶性タンパク質との相互作用解析や、巨大分子の構造解析、金属酵素の精密解析を得意としていますが、我々が持つ解析技術は対象を選びません。人工モデル藻類のアミノ酸レベルでの機能最適化や、工業的に用いられている酵素タンパク質の改変の実績もあります。蛋白質研究所で運用しているSPring-8の専用ビームラインや、超高磁場NMR装置(950MHz)、そして最新鋭のクライオ電子顕微鏡群を活用して、高難度構造解析を遂行することができます。

解析した構造の例

研究の先に見据えるビジョン

現在の創薬研究が標的タンパク質の構造情報を必要としているように、原子レベルの立体構造は基盤となる情報です。分子科学の原理を適用し理詰め分子設計により、機能改変や阻害剤のデザイン、試料の安定性向上などが可能となるでしょう。“見る科学”の力を最大限に活かすことを目指します。

管理運営している蛋白質構造データベース(https://pdbj.org)

担当研究者

教授 栗栖 源嗣(蛋白質研究所 蛋白質構造生物学研究部門)

キーワード

構造生物学/X線結晶解析/クライオ電子顕微鏡/NMR/MicroED

応用分野

ライフサイエンス/バイオテクノロジー/蛋白質工学/グリーンエネルギー

参考URL

https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2018/20181221_2
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2018/20180403_1
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20160614_1
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2012/20120302_2
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2020/20200310_1
http://www.protein.osaka-u.ac.jp/crystallography/LabHP/RESEARCH.html

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。