研究

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バイオセンサー表面にセンシング分子を完璧に整列提示させ感度及びダイナミックレンジを画期的に向上させる足場分子の開発

教授 黒田 俊一(産業科学研究所 生体分子反応科学研究分野)

  • 理工情報系
  • 産業科学研究所

特徴・独自性

我々は、2004年よりバイオセンサー表面に、様々なバイオセンシング分子(抗体、レクチン、受容体、DNAアプタマー等)の「向き」を揃えて提示する足場分子の開発を進めている。2011年に開発成功したナノ粒子状足場分子(ZZタグ提示型バイオナノカプセル:ZZ-BNC)は、①バイオセンシング分子への化学的・物理的ダメージの完全排除②化学的・物理的ストレスに対し堅牢③センサー表面の形状(ナノ粒子、二次元膜等)を問わない④バイオセンシング分子の「向き」を比較的強固に固定⑤標的分子(抗原、糖鎖、リガンド)結合部位の立体障害をほぼ完全排除⑥検出感度とダイナミックレンジを大幅に向上という、バイオセンサーの機能向上に極めて有効な機能を有しており、2020年時点で同等の効果を示す足場分子や固定化技術等は他に存在しない。ここ数年は、共同研究者や共同研究企業を中心に様々な分野でZZ-BNCの応用利用も進んでおり、成果発表が相次いでいる。

研究の先に見据えるビジョン

ZZ-BNCの適用範囲は右図に示すようにバイオセンサー用途が主であるが、今後はバイオセンサーのみならず、医薬・診断薬開発、複数酵素の連続反応系(酵素リアクター)の最適化検討、複雑な生合成経路を支える酵素複合体(メタボロン)の解析などがあり、社会的・学術的なインパクトは大きい。

担当研究者

教授 黒田 俊一(産業科学研究所 生体分子反応科学研究分野)

キーワード

ナノ粒子/バイオセンサー/分子整列化

応用分野

医療・ヘルスケア/創薬

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。