研究 (Research)
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化学発光タンパク質を利用したイメージング技術の開発 (Development of imaging techniques using chemiluminescent proteins)
教授 永井 健治(産業科学研究所 生体分子機能科学研究分野) NAGAI Takeharu(SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research))
特徴・独自性
様々な色の光を発する活性の高い化学発光タンパク質(ナノ・ランタン)を開発し、さらに改変することで生理活性物質や細胞機能などを可視化検出できる発光バイオセンサーの開発研究を進めている(図1)。LOTUS-Vは細胞の膜電位変化に応じてその発光色が変化する発光バイオセンサーである。その特徴を利用して、ミリ秒単位で変化する脳・神経活動の計測が可能となった(図2)。LOTUS-Vの遺伝子を導入することで、マウスの脳に発現させ従来の計測法では困難であった、ワイヤレスなライブ脳活動計測技術を開発し、世界で初めて自由行動中の複数のマウスから、同時に脳活動
を計測することに成功した(図3)。この計測法を用いて実際にマウスが他のマウスと接触する際の脳活動を観察したところ、一次視覚野の神経活動が接触に応じて有意に上昇することを発見した。
研究の先に見据えるビジョン
本技術は、これまで研究が困難であった、複数動物間のコミュニケーションなどの社会性行動を司る脳機能の解明、そして関連する自閉症スペクトラムや対人恐怖症などの精神疾患の研究・治療への貢献が期待される。
担当研究者
教授 永井 健治(産業科学研究所 生体分子機能科学研究分野)
※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2016/u8rq1b/
キーワード
キーワード
化学発光タンパク質/バイオイメージング/脳活動計測/社会性行動
応用分野
医療・ヘルスケア/創薬/診断