研究 (Research)
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腸内細菌叢を介した前立腺癌予防及び治療の開発 (Development of gut microbiota-mediated prostate cancer prevention and treatment)
教授 野々村 祝夫、招聘准教授 藤田 和利(医学系研究科 器官制御外科学(泌尿器科)) NONOMURA Norio, FUJITA Kazutoshi(Graduate School of Medicine)
特徴・独自性
前立腺癌は食生活と密接に関連する癌であり、日本における近年の罹患率上昇は欧米型食生活の普及が一因であるといわれている。これまでに我々は高脂肪食投与により前立腺癌が炎症細胞を介して増殖することを示してきたが、新たに高脂肪食により腸内細菌叢が変化し、その代謝産物を介して前立腺癌が増殖進展することを世界で初めてマウスでの実験で明らかにした(論文投稿中)。またヒトの腸内細菌叢の解析により、ハイリスク前立腺癌患者にも特徴的な腸内細菌叢があることを見出した(特許出願済)。現在更なるメカニズムの解明およびヒトで検討をすすめている。
研究の先に見据えるビジョン
個人の遺伝的素因や生活習慣により腸内細菌叢は変化し、前立腺癌の発症進展の一因となると考える。腸内細菌叢および代謝産物を調べることにより、前立腺癌診断のバイオマーカーとしての可能性だけでなく、前立腺癌をまだ発症していない人において前立腺癌発症進展のリスクが明らかになり、個人の食生活や腸内細菌叢に応じた生活習慣の改善やプレバイオティクス・プロバイオティクスによる介入を行い前立腺癌の個別化医療として予防法の創出を目指す。腸内細菌叢の差異により前立腺癌薬物治療の反応性の差がでる可能性もあり、個人毎の腸内細菌叢プロファイルに応じて治療法を選択する個別化医療の開発も目指す。
担当研究者
教授 野々村 祝夫、招聘准教授 藤田 和利(医学系研究科 器官制御外科学(泌尿器科))
キーワード
腸内細菌/高脂肪食/前立腺癌
応用分野
医療・ヘルスケア