研究

最終更新日:

新規ゲノム編集技術を用いた難治性遺伝病に対する根治療法の開発

教授 鈴木 啓一郎(高等共創研究院/基礎工学研究科 物質創成専攻)

  • 理工情報系
  • 基礎工学研究科・基礎工学部

特徴・独自性

突然変異が原因となり次世代に引き継がれる遺伝子疾患は10,000種以上存在すると推測されているが、現状での有効な治療法は少なく、対症療法のみである。当研究室では難治性遺伝病に対する根治療法の基盤技術開発を目指し、ゲノム中の標的遺伝子のみを特異的に狙い自由に書き換える「ゲノム編集技術」を独自改良することで、既存の方法では困難であった神経や筋肉などの生体内非分裂細胞でも遺伝子改変可能となる「HITI法」及び「SATI法」を開発した。当該技術を用いることで、遺伝性疾患である網膜色素変性症モデルラットの視覚機能障害の治療効果や、優性突然変異を有する早老症モデルマウスで見られる早期老化現象の緩和及び短縮した寿命の延長効果が得られた。つまり生体内の病変組織で直接病因変異を修復し疾病の原因を根本から取り除くことができる革新的な「ゲノム編集治療法」の開発に成功した。

生体内ゲノム編集治療

研究の先に見据えるビジョン

本技術を基盤として安全且つ高性能な技術に改良することで、網膜色素変性症・筋萎縮性側索硬化症・脊髄性筋萎縮症・家族性パーキンソン病・ハンチントン病・筋ジストロフィーなど、生体内の様々な組織や臓器に症状を示す数多くの難治性遺伝病の根治を目的とした唯一無二の治療法を提供できると考えている。

新規ゲノム編集治療法の開発

担当研究者

教授 鈴木 啓一郎(高等共創研究院/基礎工学研究科 物質創成専攻)

キーワード

難治性遺伝病/ゲノム編集/HITI/SATI

応用分野

医療・ヘルスケア/創薬

参考URL

https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2019/20190826_2
https://www.riken.jp/press/2016/20161117_1/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。