研究

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血管内皮幹細胞とLPA4アゴニストを用いた組織再生・新規治療法の開発

特任准教授教授 高倉 伸幸(微生物病研究所 情報伝達分野)

  • 医歯薬生命系
  • 微生物病研究所

特徴・独自性

がん・炎症性疾患・網膜症・虚血性疾患などの病態部位に形成される血管は透過性の亢進した脆弱な構造であり、病変部には血液成分の過度な漏出が認められ、組織間質圧が亢進する。そのために血管から病態部への薬剤送達性が抑制され、例えばがん組織への抗がん剤の送達、ウイルス感染部位への抗ウイルス薬の送達など、疾患特有の治療薬の効果を十分に発揮させることができていない。我々は、血管内皮細胞同士の接着性を高め、血管網の構築を促進させると、病態部の間質圧を減弱させて薬剤の送達性を改善できることを証明してきた。このような「vascular promotion」という新しい概念の治療法を開発する。

研究の先に見据えるビジョン

リゾホスファチジン酸受容体の活性化による血管透過性の制御(安定構造を有する血管の構築)と、既存の血管の中に存在する血管内皮幹細胞を利用することによる、持続可能な成熟血管の形成という、新しい血管制御を利用して、様々な血管病に対する治療法を提供する。血管生物学の中にこれまでなかった幹細胞医学の重要性を広く啓発し、組織再生・がん治療全般における新規治療法の開発を推進する。

担当研究者

特任准教授教授 高倉 伸幸(微生物病研究所 情報伝達分野)

キーワード

再生/血管/幹細胞/がん

応用分野

医療・再生・がん

参考URL

http://st.biken.osaka-u.ac.jp/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。