研究

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カーボンナノチューブの光励起電荷動力学の科学

教授 斗内 政吉(レーザー科学研究所)

  • 理工情報系
  • レーザー科学研究所

特徴・独自性

ナノ材料(グラフェンとナノチューブなど)は次世代の電子材料として精力的に研究開発っが進められ、一方、テラヘルツ科学(300GHz-30THz)は、様々な分野で研究開発が広がっています。それらは、ミリメートルとナノメートルの大きくかけ離れた分野に位置します。当研究室では、それらを融合したテラヘルツナノ科学の創生を提唱し、テラヘルツ技術を用いて、ナノ材料の新しい機能の探索と物性の本質的科学を解明するとともに、ナノ材料のテラヘルツデバイス応用などを目指しています。これまでに、ナノチューブを用いたテラヘルツ波偏光子の開発やナノ材料の低エネルギー物性・分子吸着動力学の解明などを行ってきました。ここでは、光励起によるテラヘルツ電磁波発生を用いて、ナノチューブからのテラヘルツ波発生を観測し、電荷や励起子の挙動を解明しています。フェムト秒レーザーにより、電界を印加したカーボンナノチューブ中に励起子(E22)が励起されると、直ぐに電荷に解離し、電界で加速され、光電流が流れることでテラヘルツ波が放射されます。このテラヘルツ波を観測することで、時間と共に変化する電荷の動きをとらえることができます。

研究の先に見据えるビジョン

このような電荷ダイナミクスやテラヘルツ波放射の新しい機能は、次世代の高速電子材料、光機能デバイス、テラヘルツ波デバイスの基礎となります。

担当研究者

教授 斗内 政吉(レーザー科学研究所)

キーワード

ナノ材料/テラヘルツ科学/新機能デバイス

応用分野

ICTデバイス/スマートデバイス/スマートセンサー

参考URL

https://www.ile.osaka-u.ac.jp/research/THP/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。