研究

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単一歩行画像による歩容認証

教授 八木 康史(産業科学研究所 複合知能メディア研究分野)、教授 槇原 靖(高等共創研究院/産業科学研究所)

  • 理工情報系
  • 産業科学研究所

特徴・独自性

歩き方の個性に基づく個人認証(歩容認証)は、カメラから遠く離れた場所でも利用できる唯一の生体認証手法として、防犯カメラ映像を用いた科学捜査への活用が進んできました。しかし、従来手法は、1周期(左右計2歩の約1秒分)の歩行映像を用いるものが主であり、認証までのタイムラグが生じる等の問題がありました。今回、本研究グループは、1枚の歩行画像から、その位相(歩行姿勢)を推定しつつ、1周期分の歩行映像を復元する深層学習モデルを開発しました。認証精度の評価実験により、従来手法と比較して、本人認証における等価誤り率を約15分の1に低減し、個人識別(登録人数を約5,000人とした場合)における1位認証率を約5.5倍に改善することに成功しました。

1枚の歩行画像からの1周期復元による歩容認証

研究の先に見据えるビジョン

本研究成果により、1枚の歩行画像しか利用できない場面や、リアルタイム性が必要とされる場面においても歩容認証が利用可能になります。これにより、入退室を許可された人物か否かをリアルタムに判断するアクセスコントロ-ルシステム等、様々な応用展開が期待されます。更には、個人認証にとどまらず、歩容による性別・年齢推定に基づくマーケティング応用、歩容による認知機能推定といった医療・健康分野への応用も見据えて、研究を推進しています。

担当研究者

教授 八木 康史(産業科学研究所 複合知能メディア研究分野)、教授 槇原 靖(高等共創研究院/産業科学研究所)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
八木 康史
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2017/g007165/

キーワード

歩容認証/バイオメトリクス/コンピュータビジョン/パターン認識/深層学習

応用分野

セキュリティ/医療・ヘルスケア

参考URL

http://www.am.sanken.osaka-u.ac.jp/index-j.html

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。