研究

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難治性疾患に対する核酸医薬の開発

教授 山本 浩文(医学系研究科 保健学専攻 分子病理学)

  • 医歯薬生命系
  • 医学系研究科・医学部(医学専攻)

特徴・独自性

低分子、抗体医療に次ぐ新しい医療として注目されている核酸医療の実現のためには、難治性疾患のアキレス腱を攻める新規核酸の開発とこれを患部に届けるDDS、更には薬剤が患者に適合するかどうかを判定するコンパニオン診断薬の開発が重要です。私達は、これらのtriadを総合的に追究し、癌や炎症性疾患(関節リウマチ、潰瘍性大腸炎)、感染症などを対象として新しい医療開発に取り組んでいます。これまでに開発した核酸医薬品は動物疾患モデルで優れた成果を発揮し、14篇の学術論文で公表しました。その成果はmicroRNAによる癌治療に関する最近のReviewで繰り返し取り上げられ、私達の開発したDDSは、①高い抗腫瘍効果、②動物の腫瘍検体から標的分子発現のノックダウンを示している、③多くのDDSが局注のところ静注できる、④核酸投与量が少ないという点で最も期待されるデリバリー技術のひとつとして注目されています。

研究の先に見据えるビジョン

最近は更に肝臓などへの負担を減らすために新しいタイプのDDSであるiNaDの開発にも成功しています。2020年代は現状の医療が核酸医療の台頭によって大きく変化を遂げるタイミングです。独自のtriadを追究することで、新しい医療を担う核になるための準備をしています。

担当研究者

教授 山本 浩文(医学系研究科 保健学専攻 分子病理学)

キーワード

核酸医薬/DDS/核酸医薬のコンパニオン診断

応用分野

医療・ヘルスケア

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2021(未来社会共創を目指す)より抜粋したものです。