研究 (Research)

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自らの生から公共の知を共創する次世代市民の育成に向けた教育の開発

岡部 美香(人間科学研究科・社会ソリューションイニシアティブ)

  • 人文学社会科学系 (Humanities and Social Sciences)
  • 人間科学研究科・人間科学部 (Graduate School of Human Sciences, School of Human Sciences)
  • 全学・学際など (University-wide, Interdisciplinary, etc.)
  • 社会ソリューションイニシアティブ (Social Solution Initiative)

取組要旨

本プロジェクトは、子どもやマイノリティを始めとする「当事者参加型」の教育・福祉と、そのような教育・福祉を通して「市民参加型」の社会を構想・構築することをめざしています。このような教育・福祉、そして社会を実現するためには、まず、既存の社会でずっと使用されて続けている、とはいえ、実際にはもうすでに現実に即さず機能不全を起こしつつあるようなカテゴリー分けやシステムの区分といった境界(boundaries)を問い直す必要があります。この問い直しの過程において何より重要なのは、教科書や行政文書、マスコミなどが提示するオーソリティからの借り物の言葉ではなく、子どもやマイノリティを含む市民ひとりひとりが自らの生を象るために共創する〈ことば〉を重視すること、そして、その〈ことば〉をよりよい社会の構想・構築に資する私たちの「公共の知」へと協働のなかで醸成していくことのできる次世代の市民を育成することです。こうすることによって、従来のカテゴリー分けやシステムの区分によって排除ないしは周縁化されてきた人々を置き去りにすることなく、当事者を始めとする市民ひとりひとりが参加しながらさまざまな社会改革を進めることが可能になるのです。

研究成果・インパクト

本プロジェクトでは、子どもやマイノリティを含む市民ひとりひとりが共創する〈ことば〉を「公共の知」ととらえることができるような教育カリキュラム・プログラムの開発をめざします。これらを通して、すべての人々が、
・生き生きと自らの生活文化を生きることができる
・自らの思いや考えをのびのびと、かつ公正に表明することができる
・そうした人々の生活文化や表明された知を「私たちの社会における公共の知・公共の財産」ととらえることができるような、多様性・複数性・公正性を基本とする社会を実現する
ことを目標とします。

担当研究者

岡部 美香(人間科学研究科・社会ソリューションイニシアティブ)

備考

次のURLを参照してください。
https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/core/public_knowledge/

キーワード

教育学(特に教育哲学・教育人間学)/近代批判/ロゴスとパトス/社会および教育の中心-周縁構造(マジョリティ―マイノリティ構造)/インターセクショナリティ/公正さ(equity)

応用分野

教育/福祉