研究

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遺伝子治療用ウイルスベクターの高度分析・品質管理

教授 内山 進(工学研究科 生物工学専攻)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

研究の概要

近年、治療目的の遺伝子を搭載した組換えウイルスベクターが主に遺伝子治療のための医薬品として実用化され、欧米を中心に創薬と製造が盛んに進められている。遺伝子治療は、抗体医薬の次に大きな市場を占めると期待される発展中の分野であり、我が国でもウイルスベクターの大量製造と分析・品質管理のための国家プロジェクトが進行中である。ウイルスベクターの分析に基づいた品質管理は医薬品としての有効性と安全性の担保のために必須であるが、ウイルスの分析技術は限られていたため、性質には不明点が多く、適切な管理方法が確立されていなかった。こうした背景のもと、本研究では大阪大学で開発したウイルスベクターの超遠心分析や質量分析などの分析・品質管理技術をコア技術として、世界最高レベルのウイルスベクター分析・品質管理を安定的に実施可能とするための研究を進めている。

社会実装に向けた将来展望

これまでの研究の成果として、ウイルスベクターの品質評価に必要な分析技術について、従来から利用されてきた手法から最先端の手法まで多岐にわたり確立に成功しており、そのレベルは世界最高に達しつつある。現在進めているロバストで信頼性が高い分析プロトコルの開発が完了すれば、製薬企業や受託製造企業が必要とする、ウイルスベクターの分析や安定性試験、さらに品質管理手法の提供を実現できる見込みである。

担当研究者

教授 内山 進(工学研究科 生物工学専攻)

キーワード

ウイルスベクター/遺伝子治療/分析/品質管理/バイオ医薬品製造

参考URL

https://macromolecularbiotechnology.com/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。