研究

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大口径フレネル液晶レンズの開発

教授 尾﨑 雅則、招へい研究員 澁谷 義一(工学研究科 電気電子情報通信工学専攻)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

研究の概要

±6D以上の広範な度数可変域の実現を目指す、直径 35mm以上の大口径フレネル液晶レンズです。レンズ素子内の液晶層に生じる電位分布波形をフレネル型とする制御を行うことで、液晶の屈折率を連続的に変化させ、レンズ効果を発現しています。素子内の電磁界分析と液晶素子専用の光線追跡シミュレーションを基にしたレンズのモデリングを駆使することで、高画質の度数可変レンズとなります。フレネルレンズの特徴である鋸歯状の光学的リタデーションは物理的な段差によらず形成されるため、無断階度数調整が可能です。実用化に向けては、外周部を含めたレンズ全域の画質とレンズパワーの向上が鍵となっています。

社会実装に向けた将来展望

電気的制御で手軽にレンズ度数の切り替えが可能であることから、実用化の用途は多岐に渡りますが、中でも、小児からシニアまで全世代の人が使用できる度数可変眼鏡の実現は世界中で望まれており、我々はベンチャー(株式会社エルシオ)を創業して開発を進めています。いつも最適な度数の眼鏡を使用することは、老眼者等の使用者の利便性やQOL を向上させるだけでなく、近視の進行抑制や小児弱視の治療に繋がります。XRスマートグラスやコンタクトレンズといった用途以外にも、車載や監視カメラの自動焦点調整レンズ、内視鏡等撮像用途レンズ、照明器具の集光レンズ等があります。

担当研究者

教授 尾﨑 雅則、招へい研究員 澁谷 義一(工学研究科 電気電子情報通信工学専攻)

キーワード

液晶レンズ/焦点可変レンズ/フレネルレンズ/度数可変眼鏡/オートフォーカス眼鏡

参考URL

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46903450T00C19A7LKA000/
https://researchmap.jp/shibuya0430

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。