研究 (Research)

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質量分析イメージングの毛髪分析への応用 (Application of mass spectrometry imaging to hair analysis)

准教授 新間 秀一(工学研究科 生物工学専攻) SHIMMA Shuuichi(Graduate School of Engineering)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

研究の概要

創薬における薬効動態分析や、動植物・食品における安全性の保証など、微小含有成分の局在分布解析が求められることが多い。質量分析イメージング(MSI)は薄切した試料表面を前処理後、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法を用いて試料表面で直接イオンを生成し、質量分析計で検出することで様々な分子の組織内分布を高精度に可視化できるが、試料前処理はサンプルの性状により最適化する必要があり、多くのノウハウを要求される。このMSI前処理に関して、新間の研究グループでは、数千件に及ぶ様々な試料に対してのノウハウを有しており、試料の特性に応じた、最適な MSI 前処理が可能であるとともに、高精度な定量化の手法も有している。また、人の毛髪は身体の健康履歴を自動的に記録する媒体であり、本MSI を人の毛髪に適用することにより、健康に関する指標を時系列の変化として可視化することが可能となる。同研究グループでは、ストレス物質や血糖値の時系列変化の可視化に向けた研究を推進している。

(図1)質量分析イメージング(MSI)
(図2)MSIによる成分分布分析例(米麹)

社会実装に向けた将来展望

すでに、大阪大学発ベンチャーとして(株)ミルイオン社を起業し、様々な試料における成分分析のトータルソリューションを提供中である。今後、毛髪にMSIを適用することで得られる健康指標の分析に基づくヘルスケアサービスについても社会実装を進める予定である。

(図3)MSIの毛髪への応用

担当研究者

准教授 新間 秀一(工学研究科 生物工学専攻)

キーワード

質量分析/イメージング/成分分析/毛髪/ヘルスケア/ストレス/血糖

参考URL

https://sites.google.com/a/fukusaki-lab.com/www/home
https://www.miruion.com/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。