研究

最終更新日:

TLR/Wntシグナルを標的にした肺線維症・肺がんに対する新規ペプチド開発

寄附講座教授 島村 宗尚(医学系研究科 遺伝子幹細胞再生治療学寄附講座、神経内科学)

  • 医歯薬生命系
  • 医学系研究科・医学部(医学専攻)

研究の概要

炎症の制御は脳梗塞および自己免疫疾患の治療にとって重要です。我々は、RANKLの部分ペプチドMHP1がTLR炎症を抑制することを見いだし、脳梗塞、乾癬、多発性硬化症、LPS急性肺傷害モデルにおける治療効果を報告しました。一方で、新たにRspondin/Wntシグナルの抑制作用ならびにTGFβシグナルの抑制効果があることを発見し、ブレオマイシンによる皮膚硬化症・肺線維症モデル、肺がんモデルでの治療効果を見いだしています。このペプチドは破骨前駆細胞の分化促進作用はなく、RANKLによる破骨前駆細胞分化を抑制する作用も有しています。なお、本ペプチドは水溶性であり、静注による血中半減期はサルで79.4分と血中でも安定しています。

社会実装に向けた将来展望

物質特許(脳梗塞)と用途特許(乾癬、多発性硬化症、線維症・がん)を取得あるいはPCT出願中です。前者については、日・米・豪・加で取得、EU(英)にて各国移行、後者については、乾癬は日で取得、米・EU(英)にて各国移行、その他はPCT出願中です。様々な疾患への応用の可能性がありますので、企業との共同研究を希望しています。

担当研究者

寄附講座教授 島村 宗尚(医学系研究科 遺伝子幹細胞再生治療学寄附講座、神経内科学)

キーワード

RANKL/TLR/R-spondin/Wnt/肺線維症/がん/脳梗塞

参考URL

http://www.cgt.med.osaka-u.ac.jp/vme/index.html

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。