研究

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数理モデルを用いた医療画像解析

特任教授 鈴木 貴(数理・データ科学教育研究センター)

  • 全学・学際など
  • 数理・データ科学教育研究センター

研究の概要

数理モデルを用いて非アルコール性肝炎(NASH)等の組織画像診断を自動化し、診断やマーカー・新薬評価の客観性を確立する。数学者である鈴木教授らが、病理画像を特徴づける指標を抽出することで大量、正確、高速な診断を可能にする技術として、ホモロジーを用いた大腸がんの診断を提唱し、良好な結果を得て現在では多くの課題に応用されている。NASH 診断においては、外接楕円フィッティングと細胞領域色情報を用いてNASH を特徴づける風船様肝細胞(ballooning hepatocyte:BH)細胞を検出し評価する方法を開発した。前処理として、ガウシアンフィルターと正規化法によるノイズ除去とコントラスト強調、輝度と色情報を用いた領域分割という独自の手法を適用している。

社会実装に向けた将来展望

動作原理を実装したソフトを開発し、病理データ自動診断を進め感度が良好な結果を得ている。全国の大学や病院が連携するNAFLD コホートを活用し、肝臓組織切片画像を客観的に高精度に診断して施設間、診断者間のばらつきをなくし、適正な診断を実現して基礎研究の基盤を構築する。規格化された大量データを取得しているので深層学習の手法を適用して特異度を向上させて、製品化に進む。

担当研究者

特任教授 鈴木 貴(数理・データ科学教育研究センター)

キーワード

病理画像診断/非アルコール性肝炎(NASH)/Ballooning Hepatocyte (BH)/領域分割/外接楕円フィッティング

参考URL

http://www-mmds.sigmath.es.osaka-u.ac.jp/faculty/personal/suzuki/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。