研究

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骨配向化用薬剤、治療薬

教授 中野 貴由、准教授 松垣 あいら、特任教授 石本 卓也、助教 小笹 良輔(工学研究科 マテリアル生産科学専攻)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

研究の概要

骨本来の配向化構造(アパタイト/コラーゲン配向化構造)の回復が骨の機能化には必須であり、もはや既存の骨疾患治療薬では骨機能回復を促すことは難しい。中野研究室では骨配向化の概念に基づく、まったく新しい骨疾患治療を実現するための、骨配向化用薬剤組成物を見出した。具体的には、骨芽細胞の受容体に作用し、その配列化を促進し骨配向化を誘導する可溶性タンパク質を、マイクロアレイ法により約3万5千個の遺伝子の中から同定して見出した。同定した物質は、破骨細胞ー骨芽細胞間相互作用に基づき骨配向化を促進する。

骨力学機能を支配する「骨配向性」
破骨細胞による骨芽細胞配列化制御
骨配向化制御因子の同定

社会実装に向けた将来展望

本成果で得られた骨配向化促進物質はこれまで見出されていない骨質制御因子であるため、骨疾患治療薬として開発することで健全な配向性を有する骨再生を達成し、これにともない特に製薬・医薬品産業を中心として幅広い産業・製品群に対して、大きな波及効果がある。骨粗鬆症、骨腫瘍・転移性がん、骨軟化症を含む骨疾患に適用可能な治療薬として市場開拓が見込まれる。

担当研究者

教授 中野 貴由、准教授 松垣 あいら、特任教授 石本 卓也、助教 小笹 良輔(工学研究科 マテリアル生産科学専攻)

キーワード

骨疾患/骨配向性/骨治療薬/遺伝子/タンパク質/骨芽細胞/破骨細胞/受容体

参考URL

http://www.mat.eng.osaka-u.ac.jp/msp6/nakano/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。