研究 (Research)

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カイコによる医療用タンパク質の低炭素化生産プロセス (Low-carbon production process for medical proteins by silkworms)

教授 藤山 和仁(生物工学国際交流センター) FUJIYAMA Kazuhito(International Center for Biotechnology)

  • 全学・学際など (University-wide, Interdisciplinary, etc.)
  • 生物工学国際交流センター (International Center for Biotechnology)

研究の概要

遺伝子組換え技術を用い、ヒト型糖鎖付加機能を持ったトランスジェニック・カイコ(以下、TGカイコ)を作成した。カイコとヒトの糖鎖付加機構(糖鎖酵素)が異なるため、カイコの糖鎖付加機構をヒト型へ改変した。このTGカイコを用いると、生物学的機能発現に重要なシアル酸残基を持つ医療用タンパク質や診断用酵素などを生産できる。ヒト型糖鎖付加機能を持つTGカイコは世界で唯一であり、日本の伝統的な蚕業と組合わせることで、我が国独自のヒト型糖鎖を持つ組換えタンパク質システムとなる。

社会実装に向けた将来展望

ヒト型糖鎖付加機能を持つTGカイコをプラットフォームにし、サイトカインなど医療用タンパク質、抗体や酵素など診断用タンパク質などの生産が可能となる。生物学的機能発現に重要なシアル酸を持つ、より高機能化した医療用タンパク質を生産できる。カイコを用いたタンパク質生産は、動物由来の原料を使用せず、低炭素化技術であり、多品種少量のタンパク質生産に適したシステムである。山間地域の蚕業の再活性化、地方創生に貢献できる。

担当研究者

教授 藤山 和仁(生物工学国際交流センター)

キーワード

遺伝子組換え/ヒト型糖鎖構造/カイコ/低炭素化/医療用タンパク質/診断用酵素

参考URL

https://www.affrc.maff.go.jp/docs/gaiyou/pdf/25015a.pdf

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。