研究

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感触を損なわずに弾性柔軟素材を触覚センサにする技術

講師 石原 尚(工学研究科 機械工学専攻)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

研究の概要

近年、IoT化の進展とともに、人に直接触れるセンシングデバイスの必要性が増しているが、本技術は、ゴムやゲル等の弾性素材の柔らかさを保ったまま、力の向きと大きさを測るセンサを提供するものである。柔軟素材に鉄粉などの強磁性微粒子を局所混合し、その下にコイル配線基板を敷くだけの単純な構造であり、素材の感触の良さをほとんど損なわず、正確なセンシングが可能である。また、変形する部分に壊れやすい電気配線や素子を含まないため、柔軟素材を大きく変形させるような力や衝撃が加わった場合でも、その素材が破壊されない限りセンサ性能が維持され、もし柔軟素材が劣化した場合でも、基板から剥がして貼り替えるだけで性能が回復する特徴を持つ。

触覚センサの実例

社会実装に向けた将来展望

本技術は、枕やマットレスなどの寝具、車のハンドルやカメラグリップ、マッサージチェアや腹筋訓練ベルトなど、肌との接触感触が重要な製品への触覚センサ搭載に最適である。また、愛玩用ロボットや人にやさしい作業ロボット、食品を取り扱うロボットや、手術ロボットにも応用可能である。

センサによる各方向成分の測定結果

担当研究者

講師 石原 尚(工学研究科 機械工学専攻)

キーワード

柔軟材料/触覚センサ/力覚センサ/感触/安全/耐久

参考URL

https://nararobocon.sakura.ne.jp/kawasetsu_hp/category/研究テーマ/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。