研究

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装着型センサを用いた深部体温推定

准教授 内山 彰(情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻)

  • 理工情報系
  • 情報科学研究科

研究の概要

深部体温の測定には直腸温度や鼓膜温度を計測する必要があるため、活動中の計測は困難である。この課題に対し、我々は装着型センサを用いて個人差を考慮した活動中の深部体温推定手法を開発している。身体情報や気温などの環境情報、および運動負荷を装着型センサや環境センサにより取得し、生体温熱モデルへの入力とすることで、人体の熱産生や体内および外気との熱移動を物理的に計算し、深部体温の変化を推定する。ウェアラブルセンサで得られる体表温度の実測値や休憩時などに間欠的に測定した鼓膜温などを基準として用いることで、個人差や体調を表す生体温熱モデル内のパラメータを適切に定める工夫をしている。

社会実装に向けた将来展望

これまでの実験では夏のジョギングにおいて鼓膜温との誤差0.3℃程度での推定を実現できることが確認できている。現在、様々な年齢や性別による違いなどを調査するため、運動時のみならず、高齢者の見守りなどもターゲットとしてデータ収集を進めており、実用化に向けた取り組みを進めている。また、現在は推定開始時点の深部体温を入力する必要があるため、個人の蓄積データを利用するなど、ユーザの手間をできる限り削減する工夫を検討している。

担当研究者

准教授 内山 彰(情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻)

キーワード

装着型センサ/生体温熱モデル

参考URL

https://utiyama.github.io

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。