研究

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センサデバイスにおける信号処理負荷を軽減した新しいセンシングフレームワーク~軽量脳波計測デバイス実装に向けた取組み~

准教授 兼本 大輔(工学研究科 電気電子情報工学専攻)

  • 理工情報系
  • 工学研究科・工学部

研究の概要

ウェアラブルデバイスは軽量化が求められるため、 搭載するバッテリの小型化が望まれている。そこで「センシングユニット側に搭載する回路の低消費電力化」が重要になる。兼本グループでは、「圧縮センシングを活用した新しいセンシングフレームワーク」に関する技術を独自に開発し、ウェアラブル脳波計測デバイスへの応用に向けた研究を進めている。圧縮センシングを用いると、信号を圧縮することで、回路で扱う情報量を削減出来るため、「回路の低消費電力化」が可能になる。ただし、一般的な圧縮センシングは、外乱混入に脆弱であり、復元精度が悪化する課題に悩まされてきた。本グループでは、データプロセッシングユニット側で独立成分分析等の信号処理を駆使し、復元前に外乱除去を行う新技術を提案している。この技術を用いると、外乱の影響を抑えられ、圧縮した信号を高精度に復元出来る。

本グループで提案するセンシングフレームワーク

社会実装に向けた将来展望

外乱混入が避けられない実環境でも「軽量な脳波計測ウェアラブルデバイスの利用」が期待できる。さらに本技術は、脳波計測用途だけではなく、圧縮センシングが利用可能なスパース性の高い様々な生体信号のセンシングにも有効である。これにより、利用者の負担を軽減しながら、今よりも多くの生体情報を取得することが出来るようになるため、ヘルスケアをはじめ多くのアプリケーションへの実用が期待できる。

本技術適用の効果

担当研究者

准教授 兼本 大輔(工学研究科 電気電子情報工学専攻)

キーワード

生体信号/脳波/センシングフレームワーク/低消費電力/圧縮センシング

参考URL

http://ssc.eei.eng.osaka-u.ac.jp/~dkanemoto/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。