研究 (Research)

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グラフェンバイオセンサー (Graphene biosensor)

准教授 小野尭生 (基礎工学研究科 機能創成専攻) ONO Takao(Graduate School of Engineering Science)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 基礎工学研究科・基礎工学部 (Graduate School of Engineering Science, School of Engineering Science)

研究の概要

単原子層のナノカーボン材料グラフェンは、その特異な性質から半導体デバイスなど様々な応用が期待され、その中でもバイオセンサーは最適な応用先と考えられている。グラフェンは構成原子全てが表面に露出し、また水中で安定な炭素材料であるため、溶液中の検出対象はグラフェン表面に距離ゼロで接触でき、グラフェンの電子密度を変化させられる。更に、グラフェンの電子移動度は極めて高く、僅かな電子密度変化を大きな電流変化に変換できる。小野研究グループでは、大きな可能性を持つグラフェンバイオセンサーの基盤構築から社会実装までを俯瞰して研究を進めている。

グラフェンの特徴
バイオセンシング原理および反応器デバイス

社会実装に向けた将来展望

グラフェンバイオセンサーの実用化のための課題解決にも取り組み、一例として検出対象の表面電荷が水溶液中のイオンによって中和されるデバイ遮蔽の課題を解決した。検出対象をグラフェン上に捕捉する分子には糖鎖などの小さな分子を使わなければならない制約があったが、マイクロ流体デバイスと複合化して形成した極微小反応場内での酵素反応をリアルタイムに計測できるバイオセンサーを開発した。本技術により、デバイ遮蔽に影響されないバイオセンシングを実現している。

ピロリ菌の超高感度センシング例

担当研究者

准教授 小野尭生 (基礎工学研究科 機能創成専攻)

キーワード

グラフェン/バイオセンサー/マイクロ流体デバイス

参考URL

https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/se/
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2019/20190618_2

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。