研究 (Research)

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大気圧プラズマによるエッチング技術を用いたX線結晶光学素子表面の無歪化 (Distortion-free surface of X-ray crystal optical elements using an etching technique with atmospheric pressure plasma)

教授 佐野 泰久(工学研究科) SANO Yasuhisa(Graduate School of Engineering)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

研究の概要

大気圧プラズマによるエッチング技術(PCVM)は、高能率かつ純化学的なエッチングであり、被加工物の表面の原子配列を乱すことなく、プラズマが接触している表面を加工することができる技術である。PCVMは従来技術の高精度研磨法が適用困難な特殊な形状のX線結晶光学素子に対しても、電極の形状等を適切に選択することによって適用可能である。そのような結晶光学素子であるチャネルカット結晶(図1)において、理化学研究所(SPring-8)との共同研究により、PCVMによる表面無歪化によってX線の反射特性が大幅に改善する等の有用性が確認され(図2) 、海外の研究施設からも注目を集めるに至っており、早期の実用化が望まれている。

(図1)
(図2)

社会実装に向けた将来展望

現在、X線光学結晶素子の無歪化処理を行うベンチャー企業の設立に向けた準備を進めている。将来的には、単結晶基板表面や半導体基板の無歪加工等の幅広い分野への事業展開を目指す。

担当研究者

教授 佐野 泰久(工学研究科)

キーワード

大気圧プラズマ/プラズマエッチング/X線結晶光学素子/無歪化

参考URL

http://www-up.prec.eng.osaka-u.ac.jp/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。