研究 (Research)

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粉粒体-流体 連成シミュレーション技術 (Powder-fluid coupled simulation technology)

准教授 辻 拓也、講師 鷲野 公彰(工学研究科 機械工学専攻) TSUJI Takuya , WASHINO Kimiaki(Graduate School of Engineering)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 工学研究科・工学部 (Graduate School of Engineering, School of Engineering)

研究の概要

工業原料の3/4以上は粉粒体であリ、また、工業製品の半分以上は、製造過程で何らかの形で粉粒体を経由している。しかし、粉粒体が関わる現象は非常に複雑かつ定量的な計測が困難であるため、現在の実プロセスにおいては、勘と経験に頼った設備設計・運用が行われていることがほとんどである(図1)。
本研究グループはこれまでの研究で、粉粒体もしくは粉粒体-流体の両方が関わる現象についてのシミュレーションを行っており、実に数万例に及ぶ実施例から得られたノウハウを有している。流体単相シミュレーションに比べ、粉粒体または粉粒体-流体連成シミュレーションに必要なパラメータ数は極端に多く、また、個々のパラメータが粉体の巨視的挙動に非線形的に影響を与える。そのため、正確なシミュレーションの実施には、現象に対する深い理解とノウハウが不可欠である。また、様々な粉粒体現象を表現可能な数理モデル開発も行っておリ、一般には難しいとされるシミュレーションも可能にしてきている(図2)。特に、粉粒体、気体、液体の三相が関わるシミュレーションにおいては、粉粒体界面モデルを導入することで精度の高いシミュレーションが可能となった(図3)。

(図1) 粉粒体の製品化プロセス
(図2) 粉体ミキサーのシミュレーション例
(図3) 世界初の界面モデルを導入した三相シミュレーション

社会実装に向けた将来展望

本シミュレーション技術を用いれば、これまで勘と経験に頼っていた粉粒体関連設備やプロセスをあらかじめ最適設計することが可能となり、設計段階での品質の作リこみ、すなわちQuality-by-Design が実現できる。

担当研究者

准教授 辻 拓也、講師 鷲野 公彰(工学研究科 機械工学専攻)

キーワード

シミュレーション/粉粒体/流体/DEM/モデル

参考URL

http://www-cf.mech.eng.osaka-u.ac.jp/member.html

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。