研究

最終更新日:

水素による脆性破壊を動的可視化できるオペランド計測システム

准教授 堀川 敬太郎(基礎工学研究科 機能創成専攻)

  • 理工情報系
  • 基礎工学研究科・基礎工学部

研究の概要

すべての構造用金属材料は水素を取り込むことによって機械的特性が大きく低下することが知られている(水素脆性)。材料中の水素はその含有量が少なく(ppmレベル)、拡散性も高いため、水素脆性を生じさせる水素の挙動を明らかにすることが困難とされてきた。材料中の水素の情報を知るための分析手法として、昇温水素脱離分析(TDS)が広く利用されてきたが、実際の脆性破壊時の動的な水素の作用を直接明らかにする実験的な手法はこれまで存在しなかった。我々のグループでは、水素脆性機構解明を目的とした、半導体水素センサーガスクロ(SGC)、低ひずみ速度材料試験装置(SSRT)、デジタル画像相関法(DIC)を組み合わせた全く新しい動的水素オペランド計測手法を開発した。

社会実装に向けた将来展望

これからの水素社会の構築に向けて、水素環境に暴露される可能性のある様々な構造金属材料の安全性診断のための新しい検査技術として応用が期待される。水素脆性に関与する変形・破壊時の水素量を実使用環境と同じ大気中で定量化することが可能であり、得られるデータを基に大気環境で水素脆性を生じない新たな高機能材料の開発に繋げられることが期待される。

担当研究者

准教授 堀川 敬太郎(基礎工学研究科 機能創成専攻)

キーワード

水素脆性/水素分析/オペランド分析/破壊/定量分析

参考URL

http://impact.me.es.osaka-u.ac.jp/

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。