研究

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バイオ由来メタンガスから液体燃料製造技術

教授 大久保 敬(高等共創研究院・先導的学際研究機構)

  • 全学・学際など
  • 高等共創研究院
  • 先導的学際研究機構

研究の概要

メタンを酸素でメタノールへ変換する反応は有機化学の中でも最も難しい反応の一つである。除菌消臭剤の有効成分として知られている二酸化塩素を反応剤として用いることによって、光照射下、メタンガスと酸素からメタノールとギ酸へ変換することが可能になった。メタンからメタノールの空気酸化は世界で初めての例で、メタン酸化の収率はこれまで知られている別の酸化剤を使用した場合と比べても世界最高値を示している。この研究成果により、貴重な天然炭素資源を扱いやすい液体燃料に容易に変えることができるようになった。また、これまでに困難であった様々な化学反応開発の課題解決に向けて重要なステップとなることが期待される。

興部北興バイオガスプラント
バイオガス中のメタンを光反応処理でメタノール・ギ酸製造

社会実装に向けた将来展望

酪農畜産において家畜ふん尿は、バイオガスプラントで嫌気発酵処理をすることによってバイオガス化されている。バイオガスに含まれているメタンガスは、ガスエンジンによる発電に使用され、酪農家の収入源となっている。しかし、再生可能エネルギーの固定価格買取(FIT)制度が利用しにくくなっているため、バイオガスの新しい用途開拓が急がれている。本技術は、バイオガスをバイオ液体燃料へ変換可能であることから、カーボンニュートラル循環型酪農システムの実現へ向けた動きが今後活発になる。

カーボンニュートラル循環型酪農システム

担当研究者

教授 大久保 敬(高等共創研究院・先導的学際研究機構)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2019/v4xvi8/

キーワード

酪農/バイオガス/メタノール/ギ酸/カーボンニュートラル/光反応

参考URL

https://shingi.jst.go.jp/pdf/2021/2021_osaka-u_001.pdf

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。