研究 (Research)

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金属材料の完全接合を実現する低温線形摩擦接合 (Low-temperature linear friction welding for perfect joining of metallic materials)

特任准教授 森貞 好昭、教授 藤井 英俊(接合科学研究所) MORISADA Yoshiaki , FUJII Hidetoshi(Joining and Welding Research Institute)

  • 理工情報系 (Science, Engineering and Information Sciences)
  • 接合科学研究所 (Joining and Welding Research Institute)

研究の概要

我々の研究グループは、あたかも接合部が存在せず、種金属材料同士をそのまま連続的に接合することができる「完全接合」技術を確立した。例えば、鋼は無変態接合によって接合部の脆化を抑制でき、アルミニウム合金では熱影響部の軟化を完全に抑制することができる。接合したい材料同士を押し付けながら昇温する固相接合に関して、「大きな接合圧力を印加することで接合温度が低下する」という意外な接合原理の発見により、接合圧力で接合温度を正確に制御することに成功した。従来の接合方法では接合部は構造体の特異点となり、金属材料が本来有する優れた特性を十分に活用することができなかったが、圧力制御線形摩擦接合では接合部を母材と同等と見做すことができる。

(図) 圧力制御線形摩擦接合の模式図とA6061アルミニウム合金継手の断面写真
アルミニウム合金板材同士が極めて薄い接合界面を介して接合されています。

社会実装に向けた将来展望

本研究成果により、接合部における強度及び信頼性の低下を考慮することが不要となり、様々な手法で高強度化された鋼やアルミニウム合金等の各種金属材料の特性がそのまま反映される良好な接合構造体を得ることができる。また、金属構造体の製造のみならず、部分的な補強技術や補修技術としても活用できる。さらに、材料特性の劣化に留意することなく、金属材を任意の形状及び大きさに組み上げていくことも可能となることから、切削によって材料を除去する従来の製造方法から、必要最小限の材料を付加する製造方法への転換にも寄与することが期待される。

(図) A6061アルミニウム合金接合部の硬度分布
圧力制御線形摩擦接合で得られた接合部は母材と同じ硬度分布を有しています。このような硬度分布は、あらゆる金属材料の接合部に形成させることができます。

担当研究者

特任准教授 森貞 好昭、教授 藤井 英俊(接合科学研究所)

キーワード

金属材料/固相接合/接合温度/熱影響部/硬度分布

参考URL

https://www.youtube.com/watch?v=ybW2uMjFE9U

※本内容は大阪大学共創機構 研究シーズ集2022(社会実装を目指す)より抜粋したものです。