研究 (Research)
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左室収縮能の保たれた心不全(HFpEF)の制圧を目指す病態解明と治療法開発 (Pathophysiology and therapeutic development to control heart failure with preserved left ventricular contractility (HFpEF))
教授 坂田 泰史、准教授 彦惣 俊吾(医学系研究科 循環器内科学) SAKATA Yasushi , HIKOSO Shungo(Graduate School of Medicine)
研究の概要
高齢化の進行に伴い、特に病態が未解明で、治療手段が確立していない左室駆出率が保たれている心不全(Heart Failure with preserved Ejection Fraction: HFpEF)患者数が増加の一途をたどっております。我々は、以前よりこの病態の解明に取り組み、動物モデルの開発から食塩感受性高血圧、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系など神経体液性因子、炎症の関与などの病態解明、さらに新しい診断指標の確立を行ってきました。このHFpEFに対し、今まで行ってきた研究結果の臨床応用、さらなる病態解明と新規治療法開発への手がかりを得るために関西圏の30病院と共同で、HFpEF患者の登録研究(PURSUIT-HFpEF研究)を行っています。
社会実装に向けた将来展望
この研究では患者さんの臨床情報を詳細にかつ経時的に収集し、かつゲノムと血清を収集しており、予後も5年間と長期間フォローしております。現在、約1300例の登録があり、わが国で最大規模のHFpEF患者の登録研究となっています。詳細な臨床情報と生体試料の解析により、HFpEFの臨床像や問題点を明らかにして、基礎研究での病態解明や新しい診断、治療法の開発に繋げるとともに、現時点でのアンメットメディカルニーズであるHFpEFの診断バイオマーカーや治療法の開発につながる知見が得られることが期待されます。
担当研究者
教授 坂田 泰史、准教授 彦惣 俊吾(医学系研究科 循環器内科学)
※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
坂田 泰史
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2020/x7xskx/
キーワード
心不全/高齢者/新規診断法・治療法