研究

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行動経済学と産業組織論の融合による競争政策・消費者保護政策の研究と政策提言(Research and policy recommendations on competition and consumer protection policies by combining behavioural economics and industrial organisation theory)

准教授 室岡 健志(国際公共政策研究科) Murooka Takeshi(Osaka School of International Public Policy)

  • 人文学社会科学系
  • 国際公共政策研究科

研究の概要

携帯電話契約、住宅ローン、保険などは、契約条項や罰金条件など商品特性が非常に複雑です。私は、「消費者」と「契約を自動更新できる企業」との関係に着目した研究を行っています。そのアプローチは、必ずしも完全合理的に行動しない消費者を考慮した分析が可能な行動経済学と、市場での企業行動を分析する産業組織論という、2分野を横断するものです(図1)。例えば、2年縛りによる携帯電話契約延長に関し、最初に説明する場合と2年後にリマインダーを送る場合を比較しました。その結果、契約内容をよくわかっている消費者とよくわかっていない消費者がどのような割合で混在していても、一定条件の下では社会全体の利益と消費者保護の両観点からリマインダーの方が良いということを理論的に導出しました。こうした研究は、新しい分野の構築・発展だけでなく政策立案においても有用であり、私は複数の官公庁で近年の日本の競争政策・消費者保護政策の議論に携わっています。

図1 社会課題解決へのアプローチ

研究の先に見据えるビジョン

「何となくおかしい」を理論的に分析する

日常の生活の中で“ちょっとおかしいのではないか”と感じることは、いくらでも見つかります。そのような“何となくおかしい”ことに対し、感覚だけで議論を進めるのではなく、それが本当におかしいのかどうか、おかしいとすればなぜなのかを、なんらかの理論に基づいて分析することは極めて重要です。理論的な分析を行えば、その枠組みに基づいてデータを集め、新たなエビデンス(現実に何が起こっているかの根拠・証拠)を蓄積することができるようになります。エビデンスが蓄積されれば、たとえば新たな規制を導入すべきか否か、もし導入するとしたらどのような形にすべきかなどの具体的な展開について、理論という明確な枠組みの中で議論することができます。このようなアプローチで、社会問題の解決に向けて研究を進めていきます。

担当研究者

准教授 室岡 健志(国際公共政策研究科)

※本学ResOUのホームページ「究みのStoryZ」に、インタビュー記事が掲載されています。是非ご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/story/2019/6l7vtm/

キーワード

行動経済学/市場分析/産業組織論/ゲーム理論/ナイーブな消費者

応用分野

競争政策/消費者保護政策/マーケットデザイン

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2022」より抜粋したものです。