研究

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高速かつ正確に関係性を理解するためのグラフ分析技術

助教 佐々木 勇和(情報科学研究科)

  • 理工情報系
  • 情報科学研究科

研究の概要

グラフは節点と枝からなるデータ構造です(棒グラフや円グラフのような図ではありません)。人間関係や、購買履歴、分子、道路網、知識(図1)など様々なモノとそれらの関係性をグラフで表現可能であり、様々な分野で活用されています。例えば、新たな触媒探索のような物質開発やウェブショッピングにおける商品推薦などが実用的に使われています。 私は多様なグラフデータに対して、(1) 効率的な管理と高速な検索を可能にするデータベース技術、(2) 新たな知見を発見するデータマイニング技術、(3) 正確な予測を行う深層学習技術を研究しています(図2)。例えば、グラフデータベースにおける問合せの1000倍以上の高速化や時間変化するグラフの将来予測精度の2倍以上の高精度化を達成しました。さらに、基礎開発だけではなく、物質探索や医療AIなどの応用分野への適用も行い、他分野の研究者との共同研究も進めています。

図1 多様なグラフデータ
図2 グラフデータからの知識発見

研究の先に見据えるビジョン

関係性理解による幸せな世界の実現

人間関係や、人と職、国家間の協定など、我々の生活には様々な関係性が密接しており、自身がどのくらい幸せなのかに大きく影響しています。身近な例では、SNSや友人関係によって、現在の「楽しい」や「辛い」といった気分に影響しますし、辛かった関係性が将来的な幸せにつながるといったこともあるかと思います。現在だけではなく将来的な影響も含めて関係性を分析することで、社会全体や個々人の状況や、性質、問題点を把握し、どのような行動をとれば幸せになることができるのか、他人を幸せにすることができるのかの判断の一助になると考えています。過去/現在/未来における大規模かつ多種多様な関係性を高速かつ高精度に分析できる技術の開発を進め、より幸せな世界の実現に貢献していきます。

担当研究者

助教 佐々木 勇和(情報科学研究科)

キーワード

ビッグデータ/グラフ分析/深層 学習/データマイニング/デー タベース

応用分野

SNS分析/物質開発/医療AI/商品推薦/都市計画/就職支援

※本内容は大阪大学 経営企画オフィス制作「大阪大学若手研究者の取組・ビジョン2022」より抜粋したものです。